地域包括ケアを支える高齢者の住まいを考える

順調に推移するサービス付き高齢者向け住宅
- その課題と、広がる期待とは -

  • 創刊号2016年9月15日発行

地域包括ケアの 中心にサ高住を

制度が発足して5年、前述したようなさまざまな課題はあれど、それでもサ高住の持つポテンシャルは高い、五郎丸氏はそう考えている。

「福祉の基本は自助、互助、共助、公助です。日々の暮らしの中に福祉サービスが入り込んだサ高住は、これらの基本が全て入っていると言えます。現在、入居している利用者さんの介護度の平均は1・96とのデータがあります。この介護度の平均は年々高くなる傾向があり、介護を必要とする入居者の方が、うまく福祉サービスを利用しながら、サ高住で暮らしていることを示しています。また、サ高住の方を鑑みても、介護度5でも入居できる物件や、看取りができる物件も増えつつあり、この傾向はさらに加速するものと期待されます。

サ高住で暮らしながら病院に通ったり、訪問診療や訪問介護を受けたりしている人がいて、サ高住に併設されたデイサービス等に地域の高齢者が通う。そうした有機的なつながりがたくさんできることで、地域包括ケアシステムの中で、役割を果たせるのだと思います。団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、サ高住に寄せられる期待はますます高くなるでしょうね」(取材・文/植木あきこ)

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五郎丸 徹氏

ごろうまる とおる
一般財団法人サービス付き 高齢者向け住宅協会 理事
株式会社学研ココファン 代表取締役社長